イベント情報Event

8月28日（木）、29日（金）の2日間、当館屋外イベントスペースにて「ふたば星空夜市」が開催されました。

星空の下で音楽会と映画上映を楽しめる、夏の特別な2日間。避難指示解除から3年が経ち、町は少しづつ前進しています。今回のイベントは町内外から人々が集い、交流するきっかけの場となりました。会場には、町内に暮らす方々や働く方々、避難先から訪れた町民、関東からフィールドワークで訪れている学生など、さまざまな人が集まり、星空の下でひとときを過ごしました。

屋外に響く音楽とスクリーンに映し出される映画を前に、世代を越えて語り合う姿や、久しぶりの再会を喜ぶ笑顔が広がり、会場は終始笑い声に包まれていました。

音楽と歌声が星空に響く「ふたばの声」

初日の8月28日は、音楽会「ふたばの声」と屋外飲食イベント「ふたば飲み」が行われました。

オープニングを飾ったのは、町民有志によるハンドベル演奏と合唱です。曲目の最後に披露された「双葉町民の歌 —未来みつめて—」。会場全体が自然と口ずさみ、温かな一体感が広がっていました。その後、町民有志の北村雅さんによるアコースティックギターの演奏では、夕暮れの会場にはやわらかな音色が広がりました。

続いて、結成から33年の歴史を持ち、双葉町を拠点に活動する標葉せんだん太鼓保存会が登場。夕陽に照らされながら迫力ある演奏を披露し、力強い響きに観客から大きな拍手と歓声が送られました。

次に、東京藝術大学大学院生・石田千飛世さんによるピアノソロ、町民有志によるフラダンス、アコースティックギターデュオ「アマデュオス」の演奏が披露されました。

続く「トモダチプロジェクト＆NSG」による子どもたちの歌とダンスのステージでは、浪江町の魅力を詰め込んだ「いくどはぁ★なみぃ」をはじめ、ヒップホップやジャズソングまで多彩な演目を元気いっぱいに披露。子どもたちの姿に、客席からは惜しみない拍手とあたたかな声援が寄せられました。

最後は、自由参加の「みんなでカラオケ」！小学生の男の子の元気な歌声や、女性3人組のハーモニー、町の活動を支える男性による懐かしの曲など、幅広い世代がステージに立ちました。
バラエティ豊かなステージに、会場はこの日いちばんの盛り上がり！客席ではスマホのライトをペンライトのように揺らし、まるでライブ会場のような一体感に包まれました。

双葉町の結束を改めて感じられたこの日。町の人たちの想いが一つになった、心あたたまる時間でした。

夜空に包まれて、映画を楽しむひととき

イベント2日目となる8月29日は、映画上映と「ふたば飲み」が開かれました。

上映されたのは『ペーニーズ・フロム・ヘブン』『ブーガルーとグラハム』『フィーリング・スルー』の3本のショートシネマ。会場は穏やかな空気に包まれ、落ち着いた雰囲気の中で食事と鑑賞を楽しむ姿が印象的でした。

東京から来た学生は、「芝生の上でご飯を食べたり、夜風に当たりながらぼーっと過ごす時間が、新鮮で楽しかったです」と笑顔で話してくれました。この日は金曜日の夜ということもあり、浜通り各地から多くの人が訪れ、地域の交流が一層深まる夜となりました。

地元グルメやキッチンカーが集結！「ふたば飲み」

2日間のイベントでは、「ふたば飲み」も同時開催されました。

当館1階のフードコート「せんだん亭」「ペンギン」をはじめ、商工会女性部や青年部の出店、双葉駅前の焙煎所「open roastery Alu.」のコーヒー、南相馬の酒蔵「haccoba」のクラフト酒など、個性豊かで地域ならではの味が集まりました。

来場者はお店の人との会話も楽しみながら買い物をし、会場は終始、笑顔とにぎわいに包まれていました。

東京からフィールドワークに訪れた学生は、「震災のイメージが強かった双葉町ですが、こんなにも温かな人たちがいることに驚きました。町の皆さんに混ぜてもらえてとても楽しいです」と笑顔。

また、親子連れの方は「双葉町でこんなに穏やかな時間を過ごせるとは思わなかった。幸せです」とうれしそうに話してくれました。

星空の下でおいしいものを味わい、音楽や映画を楽しみ、人と語らって笑顔が溢れた2日間。双葉町の結束を改めて感じ、町の人たちの想いが一つになった、心あたたまる時間でした。